好調と不調の波を受け入れれば、道は自ずと見えてくる
「好調・不調」は誰にでも、いつ何時でも訪れます。
投資にだって、当然のように、そして顕著にやって来ます。
「風邪」は不調と言えるかもしれませんが、
人間、無理をすれば免疫機能が低下し、
ウイルス性の風邪に罹患しやすくなります。
基本的には予期せずして罹るものが風邪です。
仕事に追われてたり用事で休めないのだとすれば、
風邪薬を服用して、発熱等の症状を抑制します。
言うまでもなく、大半の薬は根治とは無関係で、
対症療法が主になります。
不調に遭遇するとその「対処」に駆られるのが人情です。
しかし、対症療法の全てが悪であるとは言えません。
必要な時に、必要な対症療法に頼ることで、
快方に向かうことはどう考えても有益です。
風邪の見方を変えれば、
それは休息を訴える身体からのサインとも言えます。
風邪に限らず、あらゆる傷病はそうなのかもしれません。
骨折をすれば当然痛みますし、痛みは、
「これ以上負担をかけると壊れるからやめて」
という身体からのサインとも言えます。
それに人間には適切な休養が必要です。
例えば激務や職場環境由来のうつに対しては、
投薬よりも休んでもらうことが一番の対処になると言います。
風邪にしても骨折にしても、休養はとても大事になります。
無理をして働き続けた人にとってその休養は、
違った思考で日々を眺めるヒントになるかもしれません。
その場合、必ずしも休養=マイナス、とはなりません。
むしろその緩急がプラスとなって反映される可能性は大いにあります。
過労による行き詰まりが発生しているとすれば、
傷病はその問題を解消してくれるチャンスになるかもしれません。
なにより、人間の自己修復能力は驚異的です。
布地が割けたら縫合する必要がありますが、
人間はちょっとした傷なら放っておけば勝手に治ります。
ほとんど神秘的とさえ思えます。
傷が勝手に治るように、
自然にも集団にも自浄作用が働くように、
不調が訪れようと、まるで自己修復されるかのように、
必ずその不調は好調に転換する時が訪れます。
投資において、絶好調の波にいる時こそ危険です。
あまりにも高い勝率が続いたり、利幅が連続して取れた時など、
調子に乗って過剰な複利を掛けることもあるかもしれません。
そうすると、カンタンに転落してしまいます。
好調も不調も、不思議と互いを行ったり来たりしながら、
バランスしようとするチカラが働いているかのようです。
好調と不調という「偏在」も、
ただそれを訪れるものとして受け入れる。
その「偏在」はいずれバランスしようとするチカラによって、
勝手に補正されます。
受け入れることで、
損益に対する非合理な振る舞いが排除され、
一貫性の獲得に繋がります。
不調に対処しようとするのが人情、と書きましたが、
その対処が恐怖と欲望に基づく限り、
好調と不調が織りなす「波」を乗りこなすことは困難でしょう。
大事なのは、不調の存在を否定しようと躍起になったり、
耐えかねて無理矢理ねじ伏せようとしないことです。
どんな気候条件が続いたとしても、
天に向かって伸び続ける草木のように、
人間も好調・不調そのものを受け入れ、
ただ淡々と進めば、
人間にとっての天に続く道も自然と姿を現すはずです。